小規模事業者持続化補助金の入金まで時間がかかるから申請するかどうか悩む人向け|申請の判断軸について詳しく解説

佐々木智浩
- 千葉県出身、東京都在住
- 2021年5月「中小企業診断士」登録
- 2022年5月「経営革新等支援機関」認定

小規模事業者持続化補助金の入金まで時間がかかるから申請するかどうか悩む人向け|申請の判断軸について詳しく解説

※本記事は2024年1月18日に内容を修正しています。

 

補助金の中でも最もポピュラーな小規模事業者持続化補助金(以下持続化補助金)。小規模事業者が販路開拓で使える補助金であり、比較的事業計画書も作成しやすいのが特徴です。

 

すぐに申請してみようと考えている人や、近々活用してみたいと考えている人、一度採択されたことがあるけれどももう一度申請してみようと考えている人、様々です。

 

一方で、スケジュール的な観点から持続化補助金を活用せずに自前の資金で販路開拓を実施しようと考えている人もいると思います。

 

そこで申請スケジュール、補助事業実施期間・実績報告のスケジュールについてまとめます。

 

持続化補助金の申請・補助事業実施期間・実績報告のスケジュール

 

最新の持続化補助金は令和元年・3年度補正予算のもの。第8回以降が対象です。

 

第15回までの公募が確定しており、詳しい日程についても第15回まで発表されています。

 

作成した事業計画書を提出して、様式4と呼ばれる事業支援計画書(※)を発行してもらいます。この書類がなければ最終的に申請をすることはできません。

 

※事業支援計画書は、最寄りの商工会または商工会議所で発行してもらう書類です。

第8回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2022/5/27(金)

申請受付締切日 2022/6/3(金)

採択結果発表日 2022/8/31(水)

事業実施期間 交付決定日から2023/2/28(火)

実績報告書提出期限 2023/3/10(金)

 

第9回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2022/9/12(月)

申請受付締切日 2022/9/20(火)

採択結果発表日 2022/11/25(金)

事業実施期間 交付決定日から2023/5/31(水)

実績報告書提出期限 2023/6/10(土)

 

 

第10回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2022/12/2(金)

申請受付締切日 2022/12/9(金)

採択結果発表日 2023/2/6(月)

事業実施期間 交付決定日から2023/7/31(月)

実績報告書提出期限 2023/8/10(木)

 

 

第11回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2023/2/13(月)

申請受付締切日 2023/2/20(月)

採択結果発表日 2023年4月27日

事業実施期間 交付決定日から2023/9/30(土)

実績報告書提出期限 2023/10/10(火)

 

 

第12回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2023/5/25(木)

申請受付締切日 2023/6/1(木)

採択結果発表日 2023年8月23日

事業実施期間 交付決定日から2024/4/30(火)

実績報告書提出期限 2024/5/10(金)

 

 

第13回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2023/8/31(木)

申請受付締切日 2023/9/7(木)

採択結果発表日 2023年11月27日

事業実施期間 交付決定日から2024/7/31(水)

実績報告書提出期限 2024/8/10(土)

 

 

第14回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2023/12/5(火)

申請受付締切日 2023/12/12(火)

採択結果発表日 2024年3月4日

事業実施期間 交付決定日から2024/8/31(土)

実績報告書提出期限 2024/9/10(火)

 

第15回(受付終了)

 

事業支援計画書交付の受付締切 2024/3/7(木)

申請受付締切日 2024/3/14(木)

採択結果発表日 2024年5月〜6月頃

事業実施期間 交付決定日から2024/10/31(木)

実績報告書提出期限 2024/11/10(日)

 

 

※令和元年・3年度補正予算「小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック」にも記載されています。

 

採択日は事前に知らされることがなく、基本的には持続化補助金公式HPやメール、書面で採択結果が公表・通知されます。

 

ただ、例年の傾向を見ると、採択結果が出るのは申請から2ヶ月から3ヶ月後ぐらいとなっています。

 

持続化補助金を申請するかどうか迷った時にどう判断するか

 

基本的に補助事業(補助対象経費を使うこと)は、採択結果が出てからようやく実施できます。

 

採択結果が出る前に着手した事業は補助対象となりません。

 

補助事業は自前資金の前払いが原則です。

 

補助事業が終了したら、事務局への実績報告、補助金請求してようやく補助金が入金されます。

 

ところが、スモールビジネスオーナー(小規模事業者)は思い立ったら即行動が一般的ではないでしょうか。

 

いますぐ販路開拓でやりたいことがある事業者にとっては、ややじれったい制度です。

 

着想から事業実施完了まで半年以上かかる可能性があり、ましてや不採択になると採択結果が出るまで待機した時間の機会損失もあり得ます。

そう考えると、持続化補助金を活用してみたいけれども二の足を踏んでしまう、というのも理解できるお話です。

 

そんな持続化補助金申請に迷う場合、どのように判断したらいいでしょうか?

 

7つの習慣でお馴染みの「緊急ではないけど重要なこと」に着目して意思決定してみましょう。

 

「緊急ではないけど重要な販路」に着目する

 

下図は横軸に緊急かどうか、縦軸に重要かどうかを基準として、4つのマトリックスに区切った表です。

 

この中で最も時間管理を上手にやるべきとされているのが、右上の「緊急ではないけど重要な販路」と言われています。

 

緊急ではないから後回しにしがちだけれども、重要なことなのでしっかりと時間をとってやっておかないと後でしわ寄せがきてしまう、そんなものだと考えてください。

 

 

持続化補助金_緊急ではないけど重要な販路①

 

 

持続化補助金は「緊急ではないけど重要なこと」の経費で活用する

 

下図は4つのマトリックスに、持続化補助金の申請判断方法を記載したものです。

 

それぞれの象限に当てはめて、具体例で解説します。

 

 

持続化補助金_緊急ではないけど重要な販路②

 

緊急かつ重要な販路

 

緊急かつ重要な販路開拓とは、当面の売上は維持できるような、なおかつ販路が絶たれると売上が激減するような既存の販路を指します。

 

例えば、美容室が毎月ホットペッパービューティーに決まった広告費をかけていてそれを持続化補助金で賄う、飲食店が毎月ぐるなびに決まった広告費をかけていてそれを持続化補助金で賄う、などです。

 

いずれの例も、ほとペッパービューティーやぐるなびへの広告依存が高いことが前提です。

 

これらの販路はいわば生命線で、緊急でかつ重要であると言えます。補助金の入金を待つ猶予もありません。

 

そのため、緊急かつ重要な販路には持続化補助金は不向きです。

 

緊急ではないけど重要な販路

 

緊急ではないけど重要な販路とは、当面時間がかかってでも開拓したい販路を指します。

 

例えば、美容室が今までやったことがなかった新聞の折込チラシにかかる広告費を持続化補助金で申請する、飲食店が今までやったことがなかったグルメイベントに出店する、などです。

 

※この具体例では新しい販路を開拓することを挙げていますが、新しい販路を開拓することが持続化補助金の申請要件ではありません。

 

すぐに補助金がもらえなくても当面の経営に影響はなく、当面時間がかかってでも開拓したい販路に持続化補助金を活用するメリットは大きくなります。

 

そのため、緊急ではないけど重要な販路には持続化補助金は向いています。

 

緊急だけれども重要ではない販路

 

緊急だけれども重要ではない販路とは、これといった既存の販路がなく、今すぐにでも集客のテコ入れが必要ですぐにでもどうにかしなければならない販路を指します。

 

例えば、安定した販路を持っていない半年も体力が持たない経営状態の美容室や飲食店が、駅前でティッシュ配りをする、というような広告費です。

 

余談を許さない経営状態ならば、まとまったお金が必要で、かつ入金されるまで半年以上かかるような補助金を待って集客活動をすることは困難です。

 

そのため、緊急だけれども重要ではない販路には持続化補助金は不向きです。

 

 

緊急でも重要でもない販路

 

緊急でも重要でもない販路とは、言うまでもなく意味のない販路です。

 

例えば、東京都内で経営する美容室が北海道に新聞折込チラシを配布する、というような広告費です。

 

売上が上がる見込みがほとんどなさそうな広告費は意味のないものとなってしまいます。

 

そのため、緊急でも重要でもない販路には持続化補助金は不向きです。

 

 

まとめ

 

上記に挙げた美容室の例はほんの一例ですが、このマトリックスはどんな業種であれ時間がかかる持続化補助金の申請判断に迷う際の基準にすることができます。

 

時間がかかるから持続化補助金やるのどうしようかと迷っている事業者様は、検討している補助対象経費が「緊急ではないけど重要な販路」に該当するかどうか分析してみてください。

 

 

佐々木中小企業診断士事務所は、事業計画書作成のプロである中小企業診断士が補助金申請サポートを行います。

 

従業員0名から10名程度のサービス業の販路開拓や売上向上(持続化補助金)や、新規事業立ち上げ(事業再構築補助金)に強いことが特徴です。

 

後追いのない明朗会計で、スポットの経営相談も可能です。お気軽にお問い合わせください。

 

 

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佐々木智浩
- 千葉県出身、東京都在住
- 2021年5月「中小企業診断士」登録
- 2022年5月「経営革新等支援機関」認定

立教大学社会学部を卒業後、無形サービス業の営業を15年ほど経験し、2017年に人材紹介会社を創業。自社経営しながら中小企業診断士の受験に挑戦。2021年1月に合格し、2021年5月に佐々木中小企業診断事務所を開業。経営支援先の得意業種は遊技機開発会社や人材紹介会社、小規模サービス業。得意な支援業務は、販路開拓・採用・補助金サポート。

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