経営管理ビザの事業計画書、実現性をどう示す?専門家による事業性評価で“通る計画書”に仕上げるポイントを徹底解説
目次
はじめに:経営管理ビザは「事業計画の質」で決まる時代へ
経営管理ビザを取得しようとするとき、多くの方がまず悩むのが「事業計画書をどのレベルで作ればいいのか?」 という問題です。特に2025年10月以降、制度改正によって事業計画の“実現可能性”のチェックが厳格化されました。
背景には、日本で「実態の伴わない起業」が増えていたことがあります。書類上は整っているが、事業が実際には動いていない、オフィスを借りただけで実績がない、半年〜1年で撤退してしまう。こうしたケースが一定数存在したため、入管は“紙の美しさ”より“事業が本当に成功するのか” を重視する方向に舵を切ったわけです。
つまり、これからの経営管理ビザは、「成功する事業モデルを描けているか?」 が最重要ポイントになります。
この記事では、外国人経営者に向けて実現性の高い事業計画をどう作るか?そして新制度で求められる「事業性評価書」とは何か?を、できるだけわかりやすく解説します。
日本でビジネスを成功させるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

よくある“落ちる事業計画”の特徴
僕がサポートをしていて感じるのは、“誤解から生まれた弱い事業計画” が本当に多いこと。典型例をいくつか挙げると……
・市場分析があいまい
「日本では伸びている」「需要が大きい」この一言だけで終わっているケースは非常に多いです。数値も根拠もなければ、入管は「実現性なし」と判断します。
・販路・顧客が“想像レベル”
SNSで集客します、HPから予約が入ります、留学生向けの営業をしますなど、「戦略」ではなく「願望」になっているケース。
・売上計画が非現実的
初年度から黒字、営業利益15%以上…中小企業診断士の目から見ても、かなり無理のある収支計画が多いです。
・日本語・文化・商習慣の壁を軽視
「なんとかなるだろう」という根拠のない楽観は、そのまま審査に響きます。
・資金繰りが甘い
初期投資・運転資金・生活費・従業員給与、これらを正確に把握せず、1年以内に資金ショートしそうな計画書も散見されます。
こうした計画書は、文章が綺麗でも“再現性が低い=通りにくい” と判断されます。入管は「この人は日本で事業を続けられるだろうか?」という“未来の姿”を見ています。その根拠となるのが、事業計画のロジックなのです。

入管が本当に見ている「実現可能性」のポイント
入管は毎日多くの計画書を読み、「成功する会社」と「すぐに失敗する会社」の違いを熟知しています。その中でも特に重視されるのが、この6つ。
・市場環境の分析
市場規模・競合状況・成長性を数値で説明できているか。
・独自の強み(USP)
日本企業・他の外国人企業と比べて、どこで勝てるのか?
・事業モデルの整合性
仕入→販売→顧客獲得の流れが破綻していないか。
・売上・利益の根拠
なぜその単価?なぜその数量?どこに裏付けがある?
・経営者の適格性
経験・学歴・ネットワークが事業と“線でつながっているか”。
・経営改善の余地
仮に赤字なら、改善策や見通しを数字で語れるかどうか。
入管は「成功する事業の作り方」を理解しています。だからこそ、曖昧な計画では認められないのです。

実現性を高める“強い事業計画”の作り方
では、どうすれば入管が納得する計画書になるのか?ポイントを一つずつ解説します。
1.市場と顧客の理解を深める
市場規模、成長率、競合環境、顧客ニーズを整理することで「日本で売れる理由」 が明確になります。
2.商材・サービスの強みを数字で語る
価格競争力・原価率・リピート率・他社比較、“なんとなく良い” ではなく、“数字で強い理由” を説明するのがポイント。
3.売上計画の根拠を作る
顧客の数・単価・契約見込みの根拠を丁寧に積み上げます。
4.お金の流れを明確にする
1年目は黒字でなくても構いません。むしろ入管が見るのは、毎月の資金繰り・初期投資の妥当性・キャッシュアウトの危険性、ここが最重要。
5.経営者自身の強みを言語化する
外国人経営者の場合、“母国とのネットワーク” や“輸入・輸出の経験”が強みになるケースが多いです。
こうしたポイントを押さえて作られた事業計画は、審査にも強くなり、何より 実際の事業運営にも役立ちます。

「事業性評価書」とは?新制度で求められる専門家チェック
2025年改正で追加されたのが専門家による「事業計画の実現可能性の評価」 です。これを文書化したものが 事業性評価書。評価書の役割はただ1つ。この事業は成功する合理的な根拠があります、と第三者が客観的に証明すること。
・会社概要と事業の整理
業種、商材、販売ルート、採用計画など。計画書の骨組みをまず整理します。
・市場環境の分析(3C/SWOT)
数字ベースで分析した市場性を示し、強み・弱みを客観的に整理します。
・数値計画の妥当性チェック
売上・利益・投資回収など、数字の“辻褄が合っているか”を検証します。
・経営者の適格性
事業と経験がリンクしているか?語学・顧客ネットワークなどがどう活かせるか?
・事業継続の見通し
キャッシュフローの懸念、改善策など、第三者として冷静に判断します。
この評価書は「通過保証」ではありません。ただし、「実現可能性が客観的に説明されている」という事実そのものが、入管審査において大きな価値を持ちます。

評価書作成の流れ
問い合わせから納品までの流れは以下の通りです。
■ Step1:事業計画書・決算書の提出
まずはドラフトでもOK。行政書士が代理で送る場合も同じです。
■ Step2:初期診断(無料)
資料を確認し、「評価書の作成が可能かどうか」 を判断します。この時点で実現性が弱い場合は改善ポイントをお伝えします。
■ Step3:オンラインヒアリング
売上根拠、顧客セグメント、強み、リスク要因、事業の課題とポテンシャルを丁寧に深掘りします。
■ Step4:事業性評価書の作成
3C・SWOT・財務の妥当性・経営者適格性を一つずつ論理的に記述します。
■ Step5:PDFで納品
微修正にも対応します。
費用と見積りのタイミング
料金は 11万円(税込)から。
ただし、事業内容や資料量により変動する場合があります。
正式な見積もりは、事業計画書を提出いただき、評価書作成が可能と判断したタイミングで提示します。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 事業計画書がまだ粗いのですが、依頼できますか?
ドラフト段階でも大丈夫です。評価可能かどうかは資料を見て初期診断で判断します。
Q2. 赤字企業の計画でも評価できますか?
赤字でも「改善の見通し」があれば評価可能です。
Q3. 急ぎの案件でも対応できますか?
スケジュール次第ですが、可能な限り調整します。
Q4. 在留資格申請はお願いできますか?
申請手続きは行政書士の先生の専門領域となります。事業計画の評価に特化して対応いたします。
最後に:日本での挑戦を、ロジックで支えたい
日本でビジネスを始めるのは簡単ではありません。言語、文化、商習慣、法律。越えるべきハードルはたくさんあります。だからこそ、事業計画を“形だけ”で終わらせないことが大切です。良い事業計画は、事業の方向性を明確にし、リスクを減らし、成長スピードを高めます
もし今の計画に不安を感じるなら、遠慮なくご相談ください。初期診断で、「どこを強化すべきか」をはっきりお伝えします。あなたの挑戦を、第三者の視点とロジックでしっかり支えます。



